公開講演会「語られない紛争地と出会ったとき——私たちは、何ができるのか」
INFORMATION
ニュースで繰り返し報じられる紛争がある一方で、ほとんど報道されず、存在しないかのように扱われる地域があります。バングラデシュ南東部に位置するチッタゴン丘陵地帯は、その代表的な地域の一つです。バングラデシュでは、2024年の政変や2026年2月に実施される総選挙など、ダイナミックな政治の動きが続いています。一方で、バングラデシュ南東部のチッタゴン丘陵地帯に住むエスニック?マイノリティの人びとが直面している現実は、ほとんど語られてきませんでした。例えば、2024年の政変以降だけでも、当地域では大規模な民族間暴動が複数回発生しています。このように、民族や宗教が異なるというだけで、暴力や抑圧に直面する現実が今日も続いています。
本イベントでは、政変後のチッタゴン丘陵地帯を描いた短編映画を上映し、映画との出会いを起点に、なぜこうした紛争が見えないままにされるのかを考えます。
本企画は二部構成であり、第一部は2025年に作成した短編映画「政変と少数民族」の上映会を行います。政変後のチッタゴン丘陵地帯の実態を描いており、マイノリティが置かれる社会状況への理解を深めます。第二部では、バングラデシュの社会背景や総選挙後の動向を手がかりに、「語られない紛争」が生み出される構造と、その現実を前にした私たちの立ち位置を問い直します。
映画と対話を通じて、未来の社会のために何ができるのかを、参加者の皆さまとともに探る2時間です。
講師
ジュマ?ネット事務局長
稲川 望 氏
静岡文化芸術大学修士号取得。2021年より、バングラデシュ、チッタゴン丘陵地帯の平和促進活動を目的に設立されたジュマ?ネットの事務局長を務める。紛争被害児童の教育支援活動や活動家のネットワーク構築等の活動を行っている。
本学異文化コミュニケーション学部准教授
日下部 尚徳
博士(人間科学)。東京外国語大学准教授等を経て、2020年より現職。専門は南アジア地域研究、国際協力論、開発社会学。主たる調査フィールドはバングラデシュであり、貧困、気候変動、児童労働、難民問題を中心に、社会構造と開発課題の分析に取り組んでいる。