歓喜の笛が鳴り響く瞬間まで——2部昇格へ逆襲の物語

サッカー部

2026/03/27

アスリート&スポーツ

OVERVIEW

通い慣れた富士見総合グラウンドに試合終了の笛が鳴り響く。3部リーグ降格となった2024年11月。選手たちは悔しさを味わい、1年での2部復帰を誓う。サッカー部の「逆襲」の物語は、ここから始まった。

再起の1年

新体制になり、迎えた25年4月。いよいよ1年にわたるリーグ戦が幕を開ける。しかし、すぐに理想とは程遠い現実に直面した。5月以降、痛恨の5連敗を喫する。「どうしていいか分からなかった」。選手一人一人の技術はあるものの、試合になるとあと一歩が届かない。前半にリードを奪う展開でも、終盤に追いつかれ勝利を逃す試合が続いた。気持ちは前を向いていながらも、結果がついてこないもどかしさが積み重なる。

主将として指示を出す宮﨑慎(コ4/右)

苦しい状況が続く中、それでも彼らは歩みを止めなかった。背中を押したのは、日常で育まれた選手同士の結束力だ。25年シーズンの主将?宮﨑慎(コ4)は先頭でチームを引っ張るのが得意ではないからこそ、後輩たちがプレーしやすい環境づくりを心掛けた。練習時間以外でも積極的に会話をすることで、「何でも言い合える関係性」を築く。日常で重ねたコミュニケーションが、チームの土台をつくり上げた。

小さな積み重ねが確かな変化として現れたのは、秋の色が見え始めたころ。猛練習の夏を越え、3カ月ぶりにリーグ戦の舞台に戻ってきた。積み上げてきた時間が、チームに新たな風を呼び込む。ピッチ上で響きわたる立教チームの声。信頼関係が培われたことで、下級生からのボールを求める声が自然と増えた。やり取りが活発になることで、連携の精度も上がる。成果はリーグ戦でも表れ、10月の中央学院大学戦では5カ月ぶりの白星をつかみ取った。ついに連敗を脱した立教は、最終節まで怒涛どとうの5連勝。快進撃を見せ、2部との入れ替え戦となるプレーオフへの進出を決める。仲間と共に重ねた日々の努力が、悲願への望みをつなげた。

夢に向けた最後の一戦

苦しい期間を乗り越え、手繰り寄せた2部昇格への可能性。目標達成のために、絶対に負けられない入れ替え戦となった。相手は2部の強豪?順天堂大学。11月22日、静かに闘志を燃やし、キックオフを迎えた。積極的にボールを奪いチャンスをつくり出すが、なかなか得点に直結しない。終始主導権を握りながら、0-0で前半を折り返す。しかし、選手たちに焦りはなかった。リーグ戦での5連勝が生んだ、確かな自信。「着実に1点を取っていこう」。4年次生を中心に、再びチームは心を一つにして前向きな空気をまとい、後半のピッチへと歩み出した。

フリーキックを蹴る嵯峨康太(営4)

後半26分、ついに試合が動く。数々の試合で決定機を生み出していた岡本聡吾(社2)が、得意の右サイドを鋭く駆け上がる。クロスボールに反応した嵯峨康太(営4)が左足を振り切った。空気が止まり、揺れたゴールネット。待望の先制点にコート上が歓声で包まれた。勢いに乗った立教は、最後まで集中を切らすことなく自陣を守り抜く。

埼玉スタジアムのグラウンドに試合終了の笛が鳴り響く。紡いだ1点が決勝点となり、緊迫の90分は幕を下ろした。2部昇格を決めた選手たちの目には、涙が光っていた。1年間掲げた悲願を達成し、4年次生はそれぞれの思いを胸にピッチを後にする。宮﨑世代の「逆襲」の物語は完結した。バトンを受け取った新たな世代が、次の物語を紡ぎ始める。挑むは強豪校が集う関東2部。さらなる高みを目指し、新生?立教大学サッカー部の1ページ目が開かれる。

2部昇格を決め、喜ぶ選手たち

集合写真に応じる選手?スタッフ陣

得点を決め、喜ぶ水野将人(コ4)。4月6日、東京学芸大学戦

「立教スポーツ」編集部から
立教大学体育会の「いま」を特集するこのコーナーでは、普段「立教スポーツ」紙面ではあまり取り上げる機会のない各部の裏側や、選手個人に対するインタビューなどを記者が紹介していきます。「立教スポーツ」編集部のWebサイトでは、各部の戦評や選手?チームへの取材記事など、さまざまな情報を掲載しています。ぜひご覧ください。

writing/「立教スポーツ」編集部
経済学部経済政策学科2年次 中村祈珠

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